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100年後も価値あるデザイン その1

前回のブログの中で南雄三氏の住宅セミナーのことを書きましたが、彼は自分の一方的な発言だけでなく、受講生に宿題を与えるなど、コミュニケーションを図ってくれました。

そのなかで「100年後も価値のあるデザインとは」という凄い表題でのレポートを要求されました。
これはエコ・省エネとは直接関係ありませんが、皆さんはどのようなイメージをもちますか。

海外の住宅事情に詳しい南氏が、戦後の日本の貧弱な住宅の乱開発と、同じ敗戦国のドイツの秩序だったまちづくりをスライドで比較しながらのことでしたが、ご自分の率直な疑問として、これからの文化としての建物デザインを問われたものでしょう。

日本の場合、戦後は以前のブログに書いているとおり、復興期の国の住宅政策として、大量住宅供給などのアメリカ型の工業化社会・大量消費時代に舵を切りました。
ドイツでは例えばニュルンベルグでは、戦争で荒廃したまちの復興を自治体・住民の意思を確認しながら、時間はかかったものの、昔と同じようなまちに復興したという事でした。
とても戦後復興したまちと思えない、昔ながらのたたずまいを持っているということです。

戦後すぐの政策ですので、当時の社会的状況においてどちらがいいかということではありませんが、明治維新以降の日本と、長い伝統を重んじる欧州の価値観の違いでしょうね。
(ただし昭和40年代以降、この路線を引きずった国の根本的な政策に対して、以前のブログで紹介した世界的な地球温暖化問題の権威といわれる小宮山宏氏は疑問を呈しています)

海外では、約50年前にオランダで生まれた「オープンビルディング」という、上からのお仕着せでない、住民が居住環境の計画プロセスに参画できる開発手法があるようです。
住民は自分たちが参画して作ったコミュニティにあとあと愛着を持ち、地域全体での継承と創出が醸成されやすいと思います。

私は9年前、団地再生研究会でドイツ・イギリスの団地視察に参加しましたが、この方面で有名なライネフェルデの団地再生(後にEUの都市計画賞受賞)でのダイナミックな再生手法を目の当たりにみて、計画の斬新さとともに、日本とドイツの地方自治体に与えられた主体性と権利の違いの大きさを認識せざるを得ませんでした。
(その時にお会いしたライネフェルデのラインハルト市長は、何回か日本を訪れ講演をしています)

既存住棟再生の試行的な試みは、URでも団地再生の目標のもとに多くの提案が、すでにいくつかの団地で行なわれています。ただし既存不適格でなく、現行基準法のなかでは成立が難しい状況でした。
日本の場合、このあとがなかなか進みません。

(上部躯体は技術的に扱えても、現行法の中で地中梁・杭は変えようがありません。
URでは、ストック住宅の5階建てまでの階段室型住棟のバリアフリーEVの設置が行なわれていますが、5年前のプロポーザルに当選して、3年間の試行的な設計・建設までの過程はまさに基準法の網の目を縫うような作業でした。)

これらの法的整備や、国と地方自治体の権利関係などは、海外からみればおそらく日本独特なもので、考えにくいことであろうと思います。

今回の東日本大震災の復興計画においても、将来のビジョンを見すえた計画のなかでの、国と地方自治体の考え方において温度差が大きいようです。
日本が苦しい時ではありますが、国もこの機会に地方自治体が主体的にやれるような環境作りをしてほしいものです。
海外でも、日本での戦後最大の正念場ととらえているようです。

「100年後も価値のあるデザイン」は、このような大きな仕組みがまず前提になろうかと思います。

あとは次のブログとします。


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